付録5. ウマの進化
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原始的な哺乳類の指の数は5本だが、この初期のウマ科動物はそこからすでに逸脱し、第一指を失っていた 果実や柔らかい葉に加えて、おそらく昆虫などの小さな動物を食べていたのだろう
およそ5000万年前、初期のウマ科動物の一部が硬めの植物質を食べるように特殊化し始め、それに伴って歯列が変化した
この新たなウマ化動物は最初のウマ科動物に取って代わったわけではない
新たなウマ化動物の出現後も、最初のウマ科動物はわずかに変化しながら2000万年存続した
その後の1400万年間(始新世と漸新世)、ウマ科には新種が多数出現した 特に重要なのは歯が長くなったこと、つまり歯冠が高くなったことと、後臼歯の隆線が増えて咬合面の面積が増大したこと
約2400万年前(漸新世と中新世の境界期)、気候変動により樹木で覆われていない地域が拡大し、温帯では、進化により新たに出現した草本が優占的になり始めた この新たな生息環境の出現がきっかけとなって、偶蹄類の複数の科と同様に、ウマ科動物も急速に種分化を始めたようだ
新しい種のうちのいくつかは、この新しい植生に対応するようにどんどん特殊科していったが、この時点ではあいかわらず森林内に生息しているものも多かった
草本を食べるように特殊科したものでは、歯冠の長さや脚の長さ、体のサイズがさらに増大していった
この属は現生のウマに似て細長い頭骨を持ち、後臼歯や後臼歯化した前臼歯は歯冠が長く咬合面のパターンが複雑で、草をすりつぶすのに適していた
指の数はまだ3本だったが、体重の大部分は真ん中の指で支えており、この指には蹄のような変化も見られた
中新世の全期間を通じて草原は拡大し続け、それに伴ってウマの種のいくつかの系統では脚が長くなり、第三指以外の指が退化し、歯列は草を食物とするのにますます適したものに特殊化していった
スタイナーらが2012年に発表した系統樹(決定版というわけではない) 最初の分岐点でシマウマ三種がウマ属の他のメンバーから分かれる